その51 異動の季節に思うこと。

入社7年目にしてはじめて異動の声がかかり、これまでの自分を振り返ってみると、営業にはまったく向いてなかったと思う。考えたことを取りあえずやってみる行動力や、ライバルより一歩前に出る積極性、相手と深い付き合いをして味方に取り込んでしまう社交…

その48 頭に血が上ったときに読んでみた本。

生臭い話をします。 鳩山首相の支持率が、面白いくらい落ちている。選挙で盛り上がったのはひとつ前の夏のことなのに、遠い昔のようだ。トップを信頼し続けることができない、というのが鳩山さんの人間性に起因するならすぐ辞めてもらうだけなのだけど、僕ら…

その46 たまにはマクラなしで紹介したい本もある。

橋作者: 橋本治出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010/01/28メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 32回この商品を含むブログ (15件) を見る 奇妙な小説である。3年ほど前に起きた秋田の連続児童殺害と渋谷のエリートバラバラ殺人、有名な二つの事件を扱っ…

その44 サクラマウ季節に読みたい本。

今年の受験シーズンももうすぐ終わりのようだ。自分が受験生の頃は戦場にいるような思いをしていたし、子供が受験となれば金銭的な負担から気遣いまで大変だろうけど、ちょうど狭間にいる身にとっては物見遊山である。家族、仕事、宗教、相方などあればあっ…

その42 頭を悪くするための本。

浅草に引っ越して圧倒されたのは、観光客の多さだ。僕だって江戸情緒とか大正モダンを求めて移り住んだクチだから、偉そうなことを言う資格がないのは重々承知だけど、せっかくの土日にも浅草から出来るだけ離れようという妙な事態になっている。 日本人も多…

その39 パクス・ロマーナを学ぶための本。

「他人に興味ないでしょ」とよく叱られる。 会った人の顔を覚えない、名前を忘れるくらいは仕方ないとしても、飲みに行ってたっぷり聞いたはずのエピソードをすこーんと飛ばしてしまう。全部がぜんぶ記憶の彼方にやっているわけではなくて、自分の興味ある話…

その37 セーヌの畔りで読みたい本。

旅人は水辺が大好きである。 パリを訪れたら、セーヌ河畔のカフェで一服、実にけっこうだ。誰もが赴くノートルダム寺院はセーヌ川中洲のシテ島に位置するし、オルセー美術館やエッフェル塔など観光の核となるところは多く、セーヌの畔りや程遠くないところに…

その35 人を動かす本。

読んでいるだけで、一部の人から馬鹿にされるジャンルがある。自己啓発本だ。いわゆる本読み、小説好きであるほど、軽蔑する傾向が強い。 なぜ自己啓発本が嫌われるのか。自己啓発本の根底には「言葉で人は変わることができる」という確信がなくてはならない…

その33 「海外旅行」という流行を見つめるための本。

この2年間、狂ったように海外へ出かけた。ソウル、パリ、香港、北京、サイゴン、プラハ、大連…行き先はメチャクチャだけど、旅のスタイルは同じだ。目的地は大きな都市、いつも一人旅、航空券や宿の予約は自分の手で、出発前に関連する文学作品や資料を徹底…

その30 中小の組織人が読むと元気になれる本。

かつて営業マンとして東北を担当していた時には、山形にもたびたび足を運んだ。人々の気質は陽気とはいえないものの馴染んでしまえば素朴さと独特のこだわりを持つ方が多くて面白いし、風景は雪の季節もそうでない時も美しい稜線に囲まれスイスに来たようだ…

その28 墓前で必要な本。

アルバムに写真が増えたのは久しぶりだ。まわりに一人二人、シャッター押すのが大好きといったタイプがいると手持ちの写真は増えるものだが、偶然なのかそういう人を選んでいるのか、僕の親しい人たちはあまりカメラを常用しない。 墓前の写真である。高校陸…

その25 続・結婚する、あるいはしない僕らが読んでおきたい本。

本を読むといいことあるか、と問われたら答えに困る。好きなものだけ食べても健康にならないように、好きな本をどんなに読んでも賢くはならないと思う。でも、中には身につまされることがある。自分の一番痛いところを突かれて、唸りをあげてしまうような文…

その22 旅は道連れ世は情け的な本。

男はよく旅に出る。いつも一人だ。孤高を気取っている訳ではなく、本当は寂しがりなのだが、人格に大いなる問題があるため道連れになるような友がいないのである。だから男には本しかいない。 男が考える旅の本の条件は次の通り。 ある程度厚いもの、でも重…

その20 64回目の夏に読んでおきたい本。

昔から病気のデパートといっていいくらい体が弱くて、特に夏になると胃は重くなるし頭はボーッとするし勤労意欲は失せるし(これは年中か)、ふとググってみるとどうやら自律神経失調症というのがあるらしい。ついに自分も現代人の仲間入りかとうれしくなっ…

その17 結婚する、あるいはしない僕らが読んでおきたい本。

たまらなく暑い日が続くので、涼しげなシーンから始まるこの短編をご紹介します。隠れたファンの多い、静かで整った作品です。 この時、プールの向こう側を、ゆるやかに迂回して走ってきた電車が通過する。吊革につかまって立っているのは、みな勤めの帰りの…

その14 北方謙三になれない僕らが読むべき本。

近ごろ、困ったことに、美男子が好きになった。(ホモじゃないよ) テレビにいい男が出ていたりすると、つい手を止めてしまう。以前なら容赦なくチャンネルを替えていたはずが、どういう変化だろうか。中学でも高校でも、クラスに三、四人は評判のモテる男が…

その11 たまには話題に乗って読んでみた本。

流行りもの、行かせて頂きます! (なんだか鉄砲隊に向かって日本刀で切り込みに行く心境だ。)1Q84 BOOK 1作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/05/29メディア: 単行本購入: 45人 クリック: 1,408回この商品を含むブログ (1247件) を見る 読…

その8 夜が来る前に読む本。

酒場のネタ、酔っぱらいの伝説なんて、面白いに決まっているのだ。 面白い話というのはつまり普通ではない話なのだから、誰でも失敗談の一つやふたつはあるアルコール、セックス、旅についてなら簡単に書けてしまう。おまけにこれらはムードや感傷でいくらで…

その6 旅に出るきっかけをくれた本。

人生の贅沢のひとつに、好きな本、大切な一冊で書かれた場所を訪ねることがある。観光客としてよその街を眺めたところで、表層的な部分に触れるのがやっとだろうが、その街を心底愛した人の言葉を手がかりにすることで、自らの乏しい頭やぼやけた眼をごみ箱…

その4 世界音痴を自覚したときに読みたい本。

日本人が理解しにくい国際ニュースの一つにパレスチナ問題がある。テレビのニュースや新聞の国際面でドンパチやっているのは知っていても、正直言ってほとんどの人々が興味を持っていないのではないだろうか。 僕らのパレスチナ問題の認識というのはせいぜい…

その2 旅に出たくなったとき開く、他人様のアルバム。

よく「このボンボンが!」と罵るので、「金持ちが嫌いなんですか」と聞かれたけど、そんなことないです。そりゃあ僕は貧乏人だけど、やっぱりいい生まれ、いい育ちをした人というのは、自分と別の世界を知っているし、違う考え方をするので、おもしろい。島…