2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

その114 勝負という名の演技について考える。

数多くの新聞で取り上げられ、ベストセラーとなった柔道家・木村政彦の伝記『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』を読んだ。2段組み、本編だけで689ページもある大著を読み終えたときは達成感ばかりが先立ってただ面白かった…としか思わなかったのだが…

その113 敗れさる快感。

小説には良し悪しとは別に、好き嫌いがある。 本屋さんに行けば、熱心な書店員さんは、たくさんのPOPをつけている。本を読むには時間もお金もかかるのに、自腹を切ってお客さんのために尽くそうという姿勢は、本当に頭が下がった。 それで推薦の言葉を興…

その112 ロマンティックな日本の小説。

直木賞を受賞した葉室麟の『蜩ノ記』を読んで、さあ次にどの作品を読もうかと思ったとき頭に浮かんだのは、携帯電話でいつか見た本の紹介ブログにあった『秋月記』の引用文だった。 「山は山であることに迷わぬ。雲は雲であることを疑わぬ。ひとだけが、おの…