2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

その123 時には昔の話を。

先週の土曜日、上林暁の『故郷の本箱』という随筆集を鬼子母神下のガレージで買った。吉祥寺でひとり出版社をしている島田潤一郎さんが興した夏葉社という版元で通算6冊目にあたる新刊本だ。島田さんと、ジュンク堂書店仙台ロフト店に勤務する佐藤純子さんが…

その122 図書館にて。

長崎県諫早市立図書館を訪ねると、奥には「郷土の作家」として野呂邦暢のコーナーがあった。僕が手に取った『愛についてのデッサン 佐古啓介の旅』(みすず書房)には佐藤正午の解説が収められていて、少し意外に感じた。佐藤さんは同じ長崎の佐世保出身だか…

その121 脳内脂肪をスパークさせる本。

私の心の中には演劇部員がひとり住んでいる。日々を粛々と生きていると、ときどき私の両肩をつかんで揺さぶり「きみも演劇部に入らないか?」と勧誘してくるありがたくも厄介な相手だ。何がいいたいのかと言うと、ときどき猛烈な表現欲求がわきあがってきて…