2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

その10 そもそも本が好きじゃない人に贈る一冊。

人生の半分は読書をしていた。 ご飯を食べながら読み、 電車の中で読み、 授業中に読み、 お風呂で読み、 読書をしながら眠りに落ちる。 “テレビと漫画は禁止”という家庭で育ったので幼い頃から活字とは仲が良かった。だから「漫画は読めるけど小説はダメ。…

その9 時間も気力もないときに読む本。

CDは60分あればだいたい1枚聴けるし、映画なら120分くらい座っていれば1本見終わる。いっぽうで本というのは、ときに薄い本でも1冊読み終えるのに半日かかったりする。文庫本なら、レジで支払う金額はCDのアルバム1枚よりずっと少ないけれど、買ってから…

その8 夜が来る前に読む本。

酒場のネタ、酔っぱらいの伝説なんて、面白いに決まっているのだ。 面白い話というのはつまり普通ではない話なのだから、誰でも失敗談の一つやふたつはあるアルコール、セックス、旅についてなら簡単に書けてしまう。おまけにこれらはムードや感傷でいくらで…

その7 人間やめちゃったあなたに贈る本。

高校生の頃、発狂して虎になった人の話を国語の教科書で読んだ記憶があるが、なんでまたあんな文章を読まされたのかいまだに謎である。朝起きたら昆虫だった人の話も習った。やはり謎だとしか思わなかった。あとになって、それが日欧における文学の古典だっ…

その6 旅に出るきっかけをくれた本。

人生の贅沢のひとつに、好きな本、大切な一冊で書かれた場所を訪ねることがある。観光客としてよその街を眺めたところで、表層的な部分に触れるのがやっとだろうが、その街を心底愛した人の言葉を手がかりにすることで、自らの乏しい頭やぼやけた眼をごみ箱…